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2009年5月 4日 (月)

授業をサボって

「神様パワーをください」
「はい、あげます」

あの強烈なジャケットを見たのは確か17歳の夏だったか。
多感な音楽少年だった僕は元春のキャッチーなビートに踊り、
同い年の尾崎豊の感性に心酔し、
出たばかりのGauchoの難解な気持よさに挑んでいた。

音楽の持つ無限の力。
その力は言葉と旋律に乗ってからだに入ってくる。
そして、何か新しい回路を作ってくれる。
人は、その新たな回路によってプラス思考になったり、
いろんなことを深く理解できるようになったり、
思い出と明日をつなげたりできるようになるのだと思う。

忌野清志郎というミュージシャンは

  誰もが持っているせつない思い出
  誰もが持っている愛しい感情
  誰もが持っている後悔や懺悔
  誰もが持っている元気な自分

そんなあれやこれやを極めてシンプルに描いてみせる達人だったと思う。

17歳の僕はもちろん
RCサクセションの繊細でスイートな世界にすぐにやられてしまった。
聴くだけでは飽き足らず、コピーバンドをやったりも。
たくさん演奏したけれど、最初にやったのは「トランジスタラジオ」。
ギターとドラムとベースとピアノで最初のコードを「バーン」と出す。
おお、バンドってこんなに気持いいのか。
今につながるそんな根源的な経験もこの曲だったと思う。
歌詞の通り授業をサボって他の学校の文化祭に出演しそこの先生に補導されたのも懐かしい。

清志郎58歳。
まだまだ歌い足りなかったと思う。
僕らもまだまだ彼の歌を聴きたかった。

叶わないお話だけれど、
どれか一曲共演させてやるといわれたら、僕ならこの曲だ。

「スローバラード」
http://www.youtube.com/watch?v=qVbv0gEO70s

心よりご冥福をお祈りいたします。

-合掌-

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2009年5月 1日 (金)

ダイアログ イン ザ ダーク

J-Waveできいて興味のあったこれにいってきました。

http://www.dialoginthedark.com/index.html

イベントと言っていいのかエンターテイメントなのか、あるいはアトラクションと表現すべきなのかよくわからないのですが、「全くの暗闇のなかを数人のグループで助け合いながら進んでいく、そこから何かを体験し感じる」というのがこの催しの主旨です。

会場は千駄ヶ谷の駅から外苑西通りを南へ徒歩15分ほど歩いたあたりです。
サインボードに従ってビルの間の階段を地下へ降り、すりガラスの扉を開けるとそこは広くて落ち着いた雰囲気のロビー。
受け付けが済んだら荷物をロッカーにおさめ身軽になって待機。
参加者は8人(参加した時間はたまたま6名でした)一組のグループで行動するプログラムなのですがグループごとに集合時間がずれているのでロビーはひとかげまばらで静かです。

開始時間になったら係の方に呼ばれてまずは集まってこんにちは。
当然ですが名前も年齢も職業も全く知らない人の集合体です。
ここで白い杖を一本ずつ借り、照明を落とした前室に入って目を慣らしながら係の方から少し説明をうけます。

・全くの暗闇になるので声の情報がとても大事
・動き出す、止まる、しゃがむ、立つ、など動きを変えるときはまわりに声と名前で知らせる
・手で何かに触れようとするときは手の甲を前に向ける

なるほど。

そしてもう一枚カーテンをくぐりさらに照度を落とした部屋へ。ここでナビゲータの方が登場です。
グループに一人ずつ視覚障がい者の方がつきそい、いろいろな解説をしながら案内をしてくれます。ワタシたちのグループにつきそってくれるのは自称「ちくわ君」。

なんでも学生のころの合宿で、友人が朝食で残したちくわを全て引き受けたのがあだ名の由来とか(笑)

さて、うっすら残っていた光が全て落とされるとあたりはホントの暗闇。もう全く何も見えません。
ここでグループのメンバーも呼び名を自己申請で決めます。
よくある苗字なワタシはそのまま苗字を使いました。こういう時は覚えやすさ優先です。
みなさんの名前を確認したらちくわ君に続いてまた別のカーテンをくぐりいよいよコースへ。

慣れない杖で探る足元はやわらかくてふわふわとした落ち葉の感触。。。これは山道でしょうか。鳥の声、水の音が聞こえるなかをゆっくり進みます。
ちくわ君の声を頼りになるべく皆近づいて行動。頻繁に誰かに当たってしまうような間合いなので「この手○○です」「この背中どなたですか?」みたいに絶えずお互い

の位置を確認します。

「じゃ、まわりに木がはえていると思うので探してみてください」
「ここに水が流れていますね、一人ずつ水に触ったら次の方の手を引いて場所を教えてあげてください」

などなど、ちくわ君のナビゲートで暗闇の探検は続きます。

あまり詳しく書くとネタバレになりますので省略しますが、
その後おじいさんの家を訪ねてちゃぶ台を囲んでお絵かきしたりブランコに乗ったり
お店に行ってみんなでジュースを飲んだりといろんなことをします。
もちろん全て暗闇。

何も視覚情報がないと単純に恐怖を感じそうなものですが、不思議とそれを感じません。
目では確かに何もみえません。でもどこに何があって状況はどうなのか皆の言葉を足し算するとだいたいわかります。
むしろその安心感...誰かに助けてもらっている心強さみたいなもの...を強く感じました。

逆に、目で見えていればそれで把握できているのか、という疑問もあるよなぁと思いました。
百聞は一見にしかずとは言いますが、目で見える映像はものごとの状態を表す瞬時の姿であって、本質的な部分を理解するにはやはり頭を使って意味づけを的確にやる必要がありますよね。そういう重要性も感じました。

主催者HPの体験談にもありますが、暗闇の世界は、年齢も性別も肩書きも容姿も全く関係なく、導いてくれる声と手のぬくもりだけの世界でした。
全てを超越して人間の原点に戻れたような、そんな貴重な体験となりました。


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